鹿児島大学発のベンチャーとして、水環境のモニタリングと改善、塩の分析と応用、そして地域の活性化を、学術の力で支える拠点を目指します。
On the founding of Water and Salt Science
明治以来、私たちは西洋文明を取り入れて国家を形成してきました。しかし、平和で豊かな社会を築き上げたとは言い難く、先の大戦の敗北は、軍事や経済のみならず、私たちの見識と科学力の非力さをも露呈しました。
戦後、日本は再び立ち上がり、未曾有の発展を遂げました。科学はその繁栄を支えてきましたが、同時にそれは自然破壊の道でもありました。地球温暖化、マイクロプラスチック、水銀汚染、放射能汚染。水環境への影響にようやく気づき始めた今、私たちは軌道修正の道筋を見出せずにいます。
「水と塩の科学」は、こうした水環境の破壊にあたり、微力ながら環境改善の一助となるべく出発します。利潤のみを追求せず、水環境の改善に向けた秩序の再構築を追求し、学術と地域活性化の拠点でありたい。多くの方々の知識と愛情と助言に支えられ、この希望と抱負を完遂したく、ここに念願を申し述べます。
Three pillars of our work
オートアナライザー、ICP分析装置、水中ドローンを用いた水質モニタリング技術の高度化と普及を進めます。有害物質を使わない連続流れ分析法による硝酸・全窒素分析装置の開発を、鹿児島大学奥西将之准教授との共同研究で推進しています。
光合成細菌等を活用し、サツマイモの基腐病対策となる土壌改良剤、ならびに赤潮発生防止剤の開発を進めています。地域農業と海洋環境の双方を支える応用研究として、製品化と販売拡大を目指します。
ICPおよび蛍光X線装置を用いた食塩のキャラクタリゼーション、超加圧装置や凍結乾燥器を活用したフードロス対策の応用技術を開発しています。塩を切り口として、食と環境を結び直す試みです。
Profile of the founder
Public service and committee work
Water and Salt Symposium, 13 November 2025
本日のテーマは、水環境のモニタリングと塩の研究、ならびに新たなウナギ料理開発と試食。鹿児島湾の高水温化と水質変動、ウナギ完全養殖に向けた仔魚餌料の探索、各国の塩のミネラル分析を、現場の調査と最新の分析機器を交えて報告した。
Rising water temperature and quality shifts in Kagoshima Bay
鹿児島湾では赤潮にとどまらず、夏期の高水温化が深刻化している。垂水漁協では2024年に過去最高の34℃を記録し、1971年夏の表層28℃と比べて顕著に上昇。かんぱち養殖ではハダムシ被害が拡大しており、湾内の水質を継続的にモニタリングしている。
Searching for prey of Japanese eel preleptocephali
植物プランクトンおよび海洋細菌をウナギ仔魚(レプトセファルス)の餌料として活用する可能性を調査している。鹿児島大学水産学部 微生物学研究室 修士2年生・持留啓汰との共同。8月17日から8月29日にかけて蒼鷹丸で静岡沖の採水を行い、ピコプランクトンを分離・培養。クライゼル水槽での飼育実験では、Prochlorococcus sp. と Isochrysis galbana の摂餌性を比較した。
Underwater drones and characterisation of groundwater
鹿児島大学練習船 南星丸を拠点に、錦江湾のたぎり(海底湧出)を水中ドローンで観察。あわせて、徳之島で118歳89日まで生きたとされる泉重千代さんの自宅井戸など、長寿地域の地下水を新分析手法で特性化する研究に取り組む。
Classifying and analysing salts from around the world
食塩は原材料から海水塩(天日蒸発法・加熱蒸発法)、岩塩、湖塩に分類される。シチリア島産岩塩、アルゼンチンの岩塩、ゲランドの塩、アンデスの岩塩などをサンプリングし、色味と粒度の違いから含有ミネラルを推定。東京都立産業技術研究センター(TIRI)と鹿大先端科学研究推進センターのエネルギー分散型蛍光X線分析装置(日立ハイテクサイエンス SEA6000VX HS Finder/Rigaku社)で構成元素を確認している。
Recent publications, 2025
Joint research with industry
水と塩の科学では、民間企業の皆さまとの共同研究パートナーを募集しています。水や塩の元素分析、食品評価の基準作成、水中ドローンの活用、ブルーカーボン事業など、現場のビジネス課題の解決と新規事業育成を、鹿児島大学のネットワークを活かして進めます。
ICPや蛍光X線、連続流れ分析法を用いて、水質と食塩の元素組成を高精度に評価します。製品仕様の裏付け、品質管理、安全性評価のためのデータ取得を支援します。
分析データと官能評価を組み合わせ、食品の品質を客観的に語るための基準を共同で設計します。フードロス対策や産地ブランド構築の根拠づくりに活用できます。
水中ドローンを用いた水質モニタリング、養殖場・港湾・河川の環境調査、生物相観察を行います。現地計測の自動化とデータ蓄積を通じて、現場の意思決定を支えます。
沿岸域の藻場・海洋環境を活用したブルーカーボン創出に取り組みます。CO2吸収量の評価手法、海域モニタリング、地域企業との事業設計を共同で進めます。
テーマ未定の段階でも構いません。現場の課題感をお聞かせいただければ、適切な分析手法・研究設計・連携体制をご提案します。お問い合わせ先は下記をご覧ください。
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